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土地の活用法:駐車場経営

土地活用方法のひとつ、駐車場経営について解説しています。

駐車場経営での土地活用

駐車場経営は、持て余している土地がある場合、大きな負担なく始められる土地活用方法のひとつです。

駐車場経営による土地活用法に必要な費用

自身の土地を駐車場として貸し出す場合、賃貸マンションほどの専門知識やノウハウは必要ありません。ですので、準備さえ整えばすぐに運用が始められます。ただし、その「準備」に費用がかかりますので、注意が必要です。

  • 砂利敷の場合:2,000円/m²
  • アスファルト舗装の場合:5,000円/m²
  • コンクリート舗装の場合:6,500~12,000円/m²

どのような形で整地するかによって、必要な費用が異なります。上記は1m²あたりの相場を挙げています。これに加えて、最低限下記の設備が必要です。

  • 駐車スペースを示すライン:1台分あたり5,000円~1万円
  • ロープで区切る場合:1台分あたり1,200円~6,000円
  • 車止め用のブロック:3,500円/個
    ※1台あたり7,000円
  • 駐車場入り口の歩道切り下げ:30万円~50万円

この他にも、照明器具や土地を囲うフェンスを設置すれば、その分も計算しなければなりません。

初期費用例

仮に100坪(約330m²)の土地を駐車場にすると仮定して、試算してみました。舗装はせずに砂利敷のまま、駐車スペースはロープで区切ることにします。

車路などの駐車場に必要なスペースを含めた車1台分の駐車スペースを6坪に設定しています。今回、注射できる台数は16台です。

費目 費用 内訳
整地代 66万円 2,000円×330m²
ロープ代
※自己設置の場合
1万9,200円 1,200円×16台分
車止め用のブロック
※自己設置の場合
11万2,000円 3,500円×16台分
駐車場入り口の
歩道切り下げ
30万円 ※業者による
合計 109万1,200円 ※あくまでも試算です

これ以外にも、駐車場を囲うフェンスや、照明器具を設置するケースがありますので、実際には試算した以上の費用がかかると思います。

また、車止め用のブロックやロープも材料費だけを計上しているので、これらの設置を業者に頼むとすれば、さらに費用がかかります。

得られる収入額や利回り

駐車場経営にとって重要なことはなんといっても「稼働率」です。稼働率が高ければ当然大きな収入を得ることにつながります。

そのために重要なことは「どんな場所にあるか?」ということ。新築の賃貸経営とはちがって、駐車場経営の際には「新しさ」にそれほどの価値はないのです。

例えば賃料の目安として月額20,000円、駐車台数が14台、稼働率が90%の駐車場を作ったとします。その場合の年間の収入は「20,000円×14台×12か月×90%」で計302万円となります。

このように稼働率によって収入の数値は大きく変わっていくのが駐車場経営です。ちなみに表面利回りは以下の式で計算します。

満車時の年間賃料÷初期費用×100%

上に挙げた場合の初期費用で計算してみましょう。

東京23区の月極駐車場の平均賃料は31,861円というデータ(※)がありますので、ここでは想定賃料を3万円とします。
※駐車場ネット(http://www.chu-net.jp/)調べ

駐車可能台数は16台ですので、満車時の年間賃料は576万円。上記の計算式に当てはめると、表面利回りはなんと527.8%と出ました。

ただ、あくまでも運用開始から1年間、途切れることなく利用者がいることを前提とした試算ですし、初期費用もかなり低く見積もっていますので、参考程度にお考え下さい。

近年は、若者を中心に「車離れ」が進んでいるため、実際の利回りはこれよりかなり下がると思います。

管理方法とは?

駐車場経営の場合もマンションやアパートなどの賃貸物件と同様に、管理会社に管理をおまかせすることがほとんど。

土地のオーナーによっては、そういった専門会社に委託せずに、機材の設置から管理運営まですべて自己資金を用意して行う場合があります。

ただしこの場合、保守管理、月額料金の回収、巡回、防犯対策、トラブル対応などのすべてを個人で行わなければならないため、専門知識や経営経験者でない限りは円滑に業務を行うことはとても難しいといえるでしょう。

管理会社に委託すれば、役所への届出なども含む事前業務などもこれらすべて代行してくれるので、非常に安定して運営できます。

駐車場経営を行うメリット

一番のメリットは、なんといっても「少ない労力で運営ができる」ということ。賃貸住宅とは違い、かかる手間といえば敷地内の簡単な清掃や事故などのトラブルへの対処程度。

しかも事故やトラブルは毎日のように発生するというものもなく、その多くが大きな管理責任を問われないものがほとんどです。

それも管理会社に委託してしまえば、土地オーナーは、事後報告を受け取る程度でほとんどストレスなく運営することができます。

万が一経営がうまくいかない場合には、それまでに設置していた設備を取り外す程度の処理で簡単に撤退できます。また、地震などの災害があったときに建物が倒壊するリスクなどもありません。

デメリットとその対策法

マンションなどのように、不動産を上方向に活用することができないため、その分土地の運用効率は下がってきます。立体駐車場を建設すればそのリスクもある程度は補えますが、設置費用が甚大で、一般的な駐車場の運営にはあまり向かないでしょう。

災害などによる建物の倒壊リスクはありませんが、大地震が発生した場合、液状化現象や地割れが起こる可能性があります。また洪水や集中豪雨などにより水没するリスクも考えられるでしょう。

こうしたリスクは土地の海抜が低いほど発生率が高いので、どうしても低地で運営する場合には、盛土をしておくことも検討しましょう。

土地活用法比較!駐車場VS賃貸経営

土地活用において王道とされている賃貸経営。それでは、これまで紹介してきた駐車場と比較するとどのような違いがあるのでしょうか? 今回は大まかに3つのポイントで比べてみたいと思います。

初期費用

  • 駐車場:上記試算の通り、110万円程度
  • 賃貸経営:物件建築費、火災保険など。少なく見積もっても1,000万円単位

初期費用の手軽さであれば、駐車場経営に軍配が上がります。

収入

  • 駐車場:上記試算の通り、満車時の年間賃料は576万円
  • 賃貸経営:駐車場と同じく16戸の住居が満室だった場合、年間賃料は1,344万円
    ※東京23区の1Rマンションの家賃相場は7万円で試算
    (株式会社CHINTAI掲載物件の平均家賃)

一部屋ごとの家賃設定が高いため、金額面では賃貸経営の方が有利。加えて、賃貸は敷地面積が狭くても、建物を高くすれば、それだけ多くの収入が見込めます。

節税

  • 駐車場:固定資産税の優遇措置なし
  • 賃貸経営:更地の状態と比較して、固定資産税が1/6に圧縮される

現状、国内の固定資産税は、その土地に建物が立っているか否かで計算されます。駐車場の場合、評価方法は更地と同じ。そのため、せっかく収入を得ても、その多くが税金に取られてしまうのです。

一方、賃貸物件が建っていれば、その額は大幅に圧縮されます。入ってくる家賃の額が大きく、出ていく税金が少ない賃貸で、土地活用を考えてみませんか?

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