土地活用方法のひとつ、トランクルーム経営について解説しています。
近年増えているトランクルームによる土地活用とはどのようなものか、まとめました。
近年になって、余計な荷物などをコンテナ型の倉庫などに格納できるトランクルームの需要が高まっています。その需要に答えるかたちで、都市部を中心にこのトランクルーム経営に乗り出す地主も増えてきました。
通常の賃貸経営とちがって、480~800万円ほどの初期費用で手軽に始められ、設備投資にかんしても駐車場設備、看板、電灯、監視カメラ程度。
すでに土地に建物がある場合には、それを有効活用して運営を行うことも可能で、トランク型、コンテナ型など、状況に応じてさまざまなタイプを選択できるのも、トランクルーム経営の大きな魅力の一つです。
トランクルーム経営が不動産投資のなかでも、事業性の高さで注目をあつめている理由は、利回りの高さにあります。賃貸物件では、一般的に高利回りと言われるものでも10%程度。しかしトランクルーム経営では、その2倍の20%という高さ。
都心部などの人気が高いエリアになると、この数値は30%にもなるといわれています。例えば、70坪ほどの広さの土地に14室のトランクルームを設置して月額7,000円で貸し出したとすると、1年で賃料収入だけでも117万円ほど。初期投資額が400万円だった場合の利回り率は29.3%になります。
おもに2つの管理方法があります。一つは「自営方式」。その名のとおり、経営の開始から運営管理に至るまで、すべて地主であるオーナーが行う方法です。
手数料などを支払う必要はありませんが、多くのオーナーはトランクルームの経営自体が初めてだという方が多く、知識やノウハウなどが皆無なため、あまりおすすめできる方法ではありません。
そうなると「専門企業委託方式」がおすすめです。運営から管理に至るまですべてを専門知識をもった企業に委託することで、円滑に経営を進めることができます。
通常の賃貸物件であれば必要な水回りの整備が不要で、かつ外観もそれほど気にしなくて良いので、物件を管理する手間がかかりません。
人が住むわけではないので、少しくらい周囲がうるさかったり、日当たりが悪かったりしてもクレームにはなりません。実際、鉄道の高架下で営業しているトランクルームもあります。
トランクルーム自体が単純な構造であるため、老朽化に伴う問題やリスクも少なくてすみます。近年では、このトランクルーム市場は500億円規模にまで拡大しており、右肩上がり。参入がしやすく小規模な土地でも手軽に始めることが可能です。
手軽に始められることが大きなメリットとなっていますが、集客にかんしては立地がとてもシビアに反映されます。
いくら騒音や周辺環境に左右されないと言っても、住宅地やオフィス街などから、車で1時間もかかる山の上や、工業地帯で開業しては、集客に苦戦すること必至です。
また、インターネットなどのポータルサイトがまだまだ不充分で、集客が難航することも十分に考えられます。税金面でも、コンテナは住宅として取り扱われないため、固定資産税の軽減はされません。
土地活用において王道とされている賃貸経営。それでは、これまで紹介してきたトランクルームと比較するとどのような違いがあるのでしょうか? 今回は大まかに3つのポイントで比べてみたいと思います。
新たに建物を建てる必要が無いため、初期費用の面では圧倒的にトランクルームが有利です。
どちらも満室だった場合を想定してはいますが、見てわかる通り、賃貸経営の圧勝。そもそも一区分ごとの賃料設定が違うため、年間収入に直すとその差は約10倍に。
また、賃貸物件の場合は立地が多少不利でも、ニーズに沿った経営が出来れば、家賃下落率の低い物件に成り得ます。
トランクルームは先に記した通り、住宅街やオフィス街など、「日常的に人がいる」地域に近くなければ成り立ちません。
先に述べた通り、トランクルームは住居ではないので、固定資産税の軽減措置はありません。
長期的な視点医立って見ると、固定資産税や相続税の軽減措置がある賃貸経営の方が、より有効な土地活用と言えるのではないでしょうか。